木戸季市氏 特別講演
永代経も三日目となりました。
21日は戦後80年特別講演として
木戸季市氏をお招きし、少ない時間ではありましたがお話をしていただきました。

まずはお勤めです。
お勤めの後、木戸さんからお話をいただきました。
木戸さんはノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会の事務局長をされておられた方で、ご自身は5歳の時に長崎で被爆されました。その経験をとおして、原水爆のない核廃絶の未来への願いを語っていただきました。



門信徒問わず、多くの方がご参加くださり、皆うなずきながらお話を聞いておられました。


最後には質疑応答の時間もくださいました。
質問では、現在起こっている我が国の核配備の議論をどう思われるか。
私たちはどのように国際貢献ができるのか。
一般市民が議論の場を作っていくためには、またその舞台に上がっていくためにはどうしたらよいのか。
真剣に未来を考えた質問がなされ、それに対して、ごまかしなく、正面から答えていただきました。

木戸さんが繰り返し述べられていた言葉。
「考える」「対話する」
どうすればより良い方向に進むのか考える。どうすれば他者を殺さなくて済むのか。どうすれば殺さしめないのか。
そうすれば必然と核兵器なんて必要ないとわかる。だって、核兵器は人を殺すための兵器以外の何物でもないから。
核抑止なんていうのは権力者や、それによって儲けようとする人たちの都合のいい言葉に過ぎない。
現実に核で脅して他国に言うことを聞かせようとしている国があるわけですから。
私たちは自分で考えて、そのような権力者の都合のいいまやかしの言葉に振り回されないようしなければならない。
そして、考えたことを対話によって議論、共有していく。そうすればより具体的な方向性が見えてくる。
木戸さんのお話をそのように受け止めさせていただきました。
今年は戦後80年ということで、記念講演を開催させていただきましたが、この頃我が国にも非常に不穏な空気が漂っているような気がします。
それは、戦争の記憶が薄らいでいき、「過ちは繰り返しませぬ」という思いが個人の中から、全体の中から次第に薄らいできている故だと思います。
このような時代にあって
「己が身にひきくらべて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ」
私は仏教者として自分がどのようにこの問題と向き合っていくのか。改めて考え、確認をさせていただきました。
木戸さん本当にありがとうございました。